今回のテーマは「メタ認知」についてです。
メタ認知とは、自己理解を深め学習の最適化を図ることが出来るもので、ビジネスの舵取りを成功に導く力といわれています。
したがって社員のメタ認知の能力を鍛えることは、社会の変化に柔軟に対応できる優秀な人材育成につながることから、現在では人事担当者や教育業界担当者から注目を集めているようです。
■メタ認知とは?
メタ認知とは「自分が物事を認知している状態を、もう一人の自分が客観的に認知している状態」のことをいいます。イメージ的には“もう一人の自分がいて、自分のことを上から客観的にみて、自分自身をコントロールする”状態のことを指します。
メタ認知能力が身に付いていると、自分自身の思考や行動を正しく理解することができます。それにより、問題解決や課題達成などを自分自身で行う力を伸ばすことができるようになることから、ビジネスだけでなく、教育現場でも育成すべき能力として、注目を集めています。
■メタ認知の種類
メタ認知は、大きく分けて、メタ認知的知識とメタ認知的技能 の2種類があります。
メタ認知的知識
メタ認知的知識とは、自分の長所や短所など「自分自身について知っている知識」のことです。また、自分で把握をして知識として理解できることを、そのように呼びます。
例えば、大きく分けると、下記の3つの知識があります。
- 人に関する知識(自分の得意なこと・苦手なこと・強いこと・弱いこと)
「話すのは苦手だが、人の話を聞くのが得意だ」 - 過去の経験から得られた課題に関する知識
「自分は単純作業をしているとミスが出やすい」 - 課題を解決するための具体的な知識(経験から得られる課題の解決策)
「時間を区切りながら作業すると効率が上がる」
つまり、メタ認知知識とは自分自身を分析して得た知識、ともいえますね。
メタ認知的技能
メタ認知的技能とは、メタ認知的知識を把握したうえで、客観的に現在の自分自身の状況を確認したり、問題を解決したり、対策を講じたりする能力の事を指します。
メタ認知的技能は、「モニタリング」と「コントロール」の2つに分けられます。
モニタリングは、無意識にしていたことに意識を向けることから始まります。自分の考え方や感じ方が正しいのか、周りと極端にかけ離れていないか等、適切な行動がとれているかといった情報を監視(モニタリング)することです。一方、コントロールは、モニタリングした結果に応じて、次の行動の目標や計画を設定し、自分の行動や対策といった認知活動を制御(コントロール)することを指します。
■メタ認知能力を鍛えるには?
社員がメタ認知能力を身に付けると、業務に関する課題を適切に達成するための解決力が向上するとされています。なぜなら、メタ認知的知識と技能を基に、状況を俯瞰して判断を下せる力が身につくからです。
自分と相手の考え方のギャップを発見し、それを埋めるための適切な方法を見出すことができるようになるため、他部署や取引先とスムーズに打ち合わせを進めたり、効率的に業務を遂行できたり‥といった効果が期待できます。
では、メタ認知能力を鍛えるためには、具体的にはどのような方法があるのでしょうか。
下記にてご紹介いたします。
・セルフモニタリング
メタ認知能力を高めるために最も重要なのは、自分を客観的・俯瞰的に見る能力を養うことです。特に、自分の短所や欠点だと認識している部分と向き合う必要があります。
自分の短所や欠点はついつい目を背けがちになってしまうこともあるかと思いますが、まずは、実生活で起こった問題やトラブルなどを思い返して「あのとき、自分はなぜそうしてしまったのか」といった状況や理由を分析してみましょう。
そこから、どうすれば解決できたのか、次はどう行動するかといった行動指針を考えます。
これを繰り返すことで、少しずつモニタリング力を高めていきます。
・フリーライティング
ライティングセラピーとも呼ばれる方法で、自分が今抱えている悩みや不安、気になっている課題や思考などを紙に書き出して可視化するものです。
10~20分ほど、できるだけ手を止めず、頭のなかにある思考をとにかく全て紙に書き出していきます。自身の思考を客観視できるだけでなく、精神を安定させる効果もあるとされています。
■まとめ
「メタ認知」とは、自分を客観的に認識し、適切な目標設定や課題解決ができるスキルのことを言います。メタ認知能力を鍛えるには、セルフモニタリング(評価)とその結果からのコントロール(制御)、その繰り返しが大切です。
また、社員のメタ認知能力を高めることは、ゆくゆくは会社の業務効率等に繋がっていきます。
弊社では、メタ認知の導入として、自己理解を深める下記の研修をご用意しております。
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【EQ】人を動かす 管理職・リーダー 自己理解研修 | IT研修・ビジネス研修なら法人研修のKENスクール (kenschool.jp)
<引用・参考>
メタ認知とは?メリットやメタ認知能力を高めるトレーニング方法をご紹介 (hrnote.jp)
メタ認知とは?メタ認知能力の高い人・低い人との特徴とトレーニング方法 – あしたの人事オンライン (ashita-team.com)