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従業員と企業のこれからを支える、従業員エンゲージメント

シュガー

近年、多くの企業で従業員エンゲージメントを向上させるための取組が進んでいます。 従業員エンゲージメントは、企業と従業員がともに成長するために非常に重要な考え方と 言われていますが、いったいどのようなものなのでしょうか。 今回はその概要や事例をご紹介していきたいと思います。

従業員エンゲージメントとは?

エンゲージメントという言葉は、ブランドや企業への愛着や絆、思い入れを表す言葉で す。 顧客エンゲージメントというと、お客様がどれだけ自社製品やブランドに愛着を持ってくれているかを測る指標として活用されます。

一方、従業員エンゲージメントとは、従業員が働いている会社に対して、どれだけ信頼しているか、どれだけ貢献したいと考えているかという愛着を表す概念です。

従業員エンゲージメントが重要視される背景

これまでの日本では、終身雇用という仕組みが一般的で、長年働いていく中で自然と愛着 心・帰属意識が高まると考えられていたので、このような概念は浸透していませんでし た。 しかし終身雇用が崩壊し、働き方の多様化が進んだ現在では、より良い待遇を求めて転職 することも一般的になっており、さらには労働人口の減少によって企業の採用環境はどんどん厳しくなってきています。 このような厳しい状況が加速する中で、金銭的な側面だけではなく、企業と従業員が互いに貢献し合える関係づくりの強化=従業員エンゲージメントの向上が重要視されるようになってきました。

従業員エンゲージメントを構成する要素

続いて、従業員エンゲージメントを構成する要素についてご説明します。
具体的には、以下の3つが挙げられます。

  1. 会社のビジョンへの共感
    社員が「会社のビジョンに対して共感しているかどうか」は、欠かせない要素です。 ビジョンとは、企業が進むべき方向性を示すものです。ビジョンへの共感が得られなけれ ば、従業員が勝手な方向に進んだり、何のために仕事をするのかが不明瞭になったり、目 的意識が薄くなってしまいます。ビジョンの共感・理解を促すためには、定期的に従業員 に対して情報を発信し続ける取り組みが必要です。
  2. 働きやすい環境
    社員にとって、働きやすい環境であるかどうか?も大切な要素です。 社員自身が周囲に貢献出来ていると感じる貢献感、組織が自分に合っていると思える適合 感、互いに支え合える仲間がいると思える仲間意識など・・。これらの要素を満たすこと で働きやすい環境が作られます。
  3. 仕事へのやりがい
    社員が仕事へのやりがいを持っているかどうか?も、大切なことですね。 企業の理念やビジョンを理解し、共感しているからこそ、従業員は「会社が成功するため に積極的に動こう」という意思を持てるのだと思います。
    2.でも触れましたが、自身の行動が会社に貢献できていると感じられれば、仕事へのやりがいが増し、企業への愛着や信頼も増すことでしょう。

従業員エンゲージメントがもたらすメリット

従業員エンゲージメントを向上させることは、企業か従業員個人に様々なメリットがある という研究結果が出ています。大きな括りでは以下の3つが挙げられます。

・職場が明るく活発になる

各々が自分の仕事に誇りを持ち、自発的に業務に取り組むようになると意見交換も活発に 行われ、自然と職場の雰囲気も良くなります。会社の目標を達成するためにどうすればよいかと、社員同士で生産的な意見が飛び交い、行動が伴うことでゆくゆくは業績の向上に つながります。

・顧客満足度が向上する

従業員が自分の仕事に対して意義を感じ、意欲的に取り組むことで、高品質な商品やサー ビスの提供が出来るようになります。それにより顧客満足度が向上し、顧客が企業に対して良いイメージを持つことで、売上UPにもつながります。

・従業員の定着率の向上

エンゲージメントの高い従業員が多い企業では離職率が低い傾向にあります。自分が会社 に貢献できる喜びを感じられる職場であれば、そこから離れたいと感じる従業員は少ない ことでしょう。また意欲的に取り組む従業員が多いことで、社内一丸となって目標に向 かっている一体感が強まり、優秀な人材も職場を離れることは考えないはずです。離職率 の低下は採用コストの削減にもつながります。

従業員エンゲージメントを高めることに成功した企業事例の紹介

従業員エンゲージメント向上に取り組む企業は、いったいどのような施策を行なっているのでしょうか。いくつかの事例をご紹介いたします。

株式会社岐阜タンメンBBC

東海地区で美味しい岐阜タンメンを提供する、株式会社岐阜タンメンBBCでは、全社で帰属意識を底上げする施策としてリファラル採用に取り組み、自社の採用とエンゲージメントに変革を起こしました。

条件や仕事内容だけの求人を配信するのではなく、そのポジションで採用された方の転 職ストーリーやその方が感じている自社の魅力を語ってもらう…といった形で、社員が感じる自社の魅力をニュースとして配信することで、他従業員も会社の魅力を再認識する機会となり、従業員エンゲージメント向上に繋がりました。現在では紹介数が増えて社員採 用の順番待ちが出来るほどのブランド力になっているようです。

小松製作所

建設機械の大手、小松製作所では、現場の従業員エンゲージメントに深く関わるマネー ジャー層を対象として改革に取り組んでいます。まずはマネージャー層が気を配るべきポイントを明確化し、そのうえで教育・研修体制の整備・育児や介護など家庭の事情に配慮する支援策・休暇制度を整えていったそうです。誰にでも将来起こりうる不安・リスクを解消することで、従業員との信頼感が生まれ、周囲との情報共有もスムーズになり、売上向上にも効果が見られました。

従業員エンゲージメントを高めるポイントは?

・自社の実態を把握する

まずは、現状の従業員エンゲージメントの度合い、実情を把握することが大切な1歩です。 社員の意識調査を定期的に行ない、都度施策に反映していくのがよいでしょう。

・企業の理念や目指すところを明確に示す

従業員エンゲージメントを高めるうえで、ここが肝!と言っても過言ではありません。 社外のみに発信するのではなく、社内に対してもしっかりと目指すべきところを発信していく事が必要です。社内報や企業の目指すべき姿をまとめた「ブランドブック」、もしくはホームページとは別の「社内のブログ」などで従業員への周知に繋げるとよいかもしれません。

・適切な人事評価とフィードバックを行なう

従業員に「会社はきちんと自分のことを認めてくれている」「自分を正当に評価してくれている」という意識を持ってもらうことも必要です。人は誰かに必要とされることで自分 自身も貢献したいという気持ちを抱くことが出来ます。そのためには人事評価の仕組みを 整えることも重要です。

・コミュニケーションの活発化

「一緒に働いている人のことをよく知らない・信頼できない」という状態では、自社への 愛着も中々持ちにくいかと思います。そのため社内コミュニケーションを活性化させ、従業員同士の関係性を深めることも大切な要素です。定期的なランチミーティングや社内SNSの活用なども有効です。上司や同僚との接点を常に感じるような環境づくりで、従業員の帰属意識も高めやすくなります。

・社内にトレーニング環境を設ける

向上心を持つ社員に対して研修や座学など「仕事とは別の機会」を与えることで、社員の 成長をサポートするというのも、一つの手です。

まとめ

従業員エンゲージメントとは、企業に対する信頼や愛着を表す指標のことです。いくつかの事例をご紹介させていただきましたが、従業員エンゲージメントを高めることで、従業員と企業の両者が強い力を発揮することが出来ることが分かりましたね。

また、これらの活動を進める中で、会社の魅力の再発見が出来るのもとても素敵だなと感じました。企業にとっても、従業員にとっても、成長をもたらす従業員エンゲージメント。あなたの会社でも、まずは会社の実情を探るところから実践してみませんか?

■引用

「従業員エンゲージメント」とは?必要性・要素・向上策・事例など徹底解説
https://talknote.com/magazine/about-engagement-2/

従業員エンゲージメントとは?取り組み事例から見る向上させるためのコツ!
https://www.hito-link.jp/media/column/engagement

日本の人事部 エンゲージメント
https://jinjibu.jp/keyword/detl/176/

エンゲージメントとは? 意味、必要性、向上させる方法、評価、測定方法
https://www.kaonavi.jp/dictionary/engagement/

「Japan Referral Recruiting Award 2022」アワード受賞企業8社とリクルーター2名の成功の軌跡
https://i-myrefer.jp/media/resource/resource_239/

「従業員エンゲージメント」の意味や向上による効果とは? 従業員満足度やモチベー ションと何が違う?https://www.hrpro.co.jp/series_detail.php?t_no=2359