若手社員の離職率の高さや少子高齢化による人員不足など、人材不足に頭を抱えている企業も多い中、注目を浴びているのが「フォローアップ研修」です。フォローアップ研修は、ただ単に研修を振り返ったり復習したりするだけのものではありません。
この記事では、フォローアップ研修を行う目的や内容、成功させるためのポイントについて紹介します。「フォローアップ研修を検討している」または「導入はしているけど効果がいまいち」という方は、ぜひ参考にしてみてください。
フォローアップ研修とは、研修終了から一定期間が経過した後、再度受講者を集めて研修を振り返り、さらに学習効果を高めるために行われる研修です。研修内容の理解をより深め、現時点で、必要なスキルや知識を再認識し、新たな目標を設定したりします。
実際、多くの企業で新入社員やマネジメントを対象にさまざまな研修が実施されていますが、それらの研修がどのように業務に活かされているのか、どれくらいの効果があったか?を振り返る時間を設定できていない企業も珍しくありません。振り返りを行って課題や改善点を確認することで、今後、学んだことを業務に落とし込みながら、より高い教育効果を期待することができます。
フォローアップ研修の目的は、振り返りの機会を作ることで、「研修で学んだ内容をその後の業務でどう活かせたか」を考えてもらうことにあります。一度学んだ事をすぐに業務定着させるのは難しく、業務に活かせていないのであれば、何が原因かを突き止めなければなりません。原因を突き止めることができれば、どうすれば改善できるのか行動に移すことができます。
ここで、フォローアップ研修のメリットについて紹介します。
日々の業務に追われていると、自身の状況を客観的に把握することはなかなか難しいものです。また、教育担当者が社員とじっくり話をする時間をとることが難しいこともあるでしょう。
フォローアップ研修という時間を敢えて作り、研修の中で、普段の業務で思っていることを、教育担当者と社員との間で共有をしあったり、紙に書きだしたり、ディスカッションを行うことで、自身の現状が把握でき、課題の発見につながります。
自身を見つめなおし、課題が発見できれば、課題に対する目標を設定することができます。
目標を設定するだけではなく、目標を達成するために必要なプロセスをしっかりと立てることが重要です。プロセスまでしっかり決め、自分の今後の行動を明確にすることにより、周囲に相談もしやすくなります。また教育担当者もプロセスに沿ったアドバイスができ、目標達成に向け、周囲と協力しながら進めることができます。
日々業務を行っていると、他の同期と比較してしまったことが原因で、悩みや葛藤を抱えることがあります。とくに、新入社員は研修後に業務を経験していくことで、不安や悩みも増えてくるでしょう。
フォローアップ研修では同期が再集結するので、同じ境遇の仲間と不安や悩みを分かち合うことができ、不安の解消へと繋げることができます。
フォローアップ研修で、悩みや不安の解消、また課題の発見や目標設定を行うことにより、目的意識をもって仕事に取り組めるようになるでしょう。モチベーションの向上は、早期離職の防止にもつながります。また目標が達成したら、さらに次の目標へと向かうため、フォローアップ研修を定期的に行い、振り返り・課題の発見・目標設定・業務の実践というサイクルを繰り返し実施するとよいでしょう。
ここでは、対象者ごとのフォローアップについて紹介します。
一般的にフォローアップ研修は新入社員を対象として実施されることが多いです。しかしフォローアップ研修は、各研修に対してセットと考えられるので、新入社員だけではなく若手社員・中堅社員・管理職など全社員の研修が対象になります。ここで、それぞれの対象者別にどのような内容を実施するかについて紹介します。
新入社員のフォローアップ研修では、基本的な業務スキルの習得を目的としています。新入社員は振り返りをするという習慣がまだ身についておらず、その効果もまだ実感できていない人がほとんどです。そのため、コミュニケーションスキルや基本的なプロジェクト管理も重要となり、業務プロセスを理解し、協力的なチームメンバーとしての役割を果たす必要があります。PDCAを回す意味を知るという意味でも、新入社員研修とセットにしたフォローアップ研修を行うと効果的です。
若手社員のフォローアップ研修は、専門知識の習得やリーダーシップスキルの発展を目指すことを目的として行われます。フォローアップ研修はある程度実務経験を積んでから実施されるため、自身の体験と照らし合わせて学ぶことができ、教育効果を格段に高めることができます。また、若手社員は高度な業務に携わり、同時にチームのリーダーシップの役割を担う立場です。そのため、将来のキャリア成長に向けた準備も重要な目的になるのです。
中堅社員のフォローアップ研修は、高度な専門知識の習得と組織内での影響力の拡大を目指すことを目的として行われます。中堅社員はある程度PDCAを回す力もついてきているため、チームに分けさまざまな意見を出し合うことで有意義な時間を提供できるでしょう。また、組織内での専門家としての役割を果たし、組織の戦略的な目標に貢献してくれる可能性もあり、リーダーシップのスキルも磨かれます。
管理職のフォローアップ研修は、強化されたリーダーシップスキルと戦略的思考を発展させることを目的としています。以前実施した研修の振り返りを行うことにより、目標設定の妥当性や業務改善、人材育成プランの練り直しなどさまざまな面が改善できるでしょう。
振り返りのタイミングをいつにするかは、どのような研修を行うかによって異なるため、実施する時期は明確に決まっていません。一般的には、3ヶ月や1年という時間軸でフォローアップ研修を行っている企業が多いようです。
新入社員の場合、業務の目標達成状況のプレゼンが主な研修カリキュラムの内容となることが多く、仕事の進め方の再確認や実際に業務につき生じた悩みの共有などを目的とします。
入社から1年後では、現場を経験した1年間の総合的な振り返りを行います。従業員によっては部下ができていたり、仕事内容に変化が生じていたりと大きな変化があるので、新たな目標設定の場になるでしょう。
ここで、フォローアップ研修を成功させるためのポイントについて紹介します。
フォローアップ研修には、実施すべき最適なタイミングがあります。例えば、新入社員の場合、入社後1ヶ月〜3ヶ月前後には精神的な成長を促す内容を、入社後半年前後には具体的な業務に関する内容をそれぞれ取り上げると成長に効果的です。研修の回数が多すぎると業務の妨げになるため、判断に迷った場合には、3ヶ月後・半年後・1年後のタイミングで行いましょう。
せっかくフォローアップ研修を実施したとしても、参加者のモチベーションが上がらなければ行う意味がありません。フォローアップ研修で学んだ内容を最大限に活かしてもらうためにも、参加者のやる気を高めるための環境を整えることが重要です。
フォローアップ研修では、プログラムによって他の参加者の前で自身について話をすることが必要になる場合があります。失敗談や悩んでいることなど、ネガティブな話題でも話しやすい環境を整えることで、参加もしやすくなるでしょう。
「ただやって終わり」となると、フォローアップの意味も薄れてしまいます。フォローアップ研修で学んだことの定着を図るためにも、実施後はフィードバックが必要です。参加者同士でフィードバックを行うことで、今後の目標を正しく修正することができますし、フィードバックをもらうことで悩みや課題が解決できるかもしれません。
また、今後のフォローアップ研修をより効果的なものにするために、効果測定も実施しましょう。研修を受けて得られたことや変わったことなどを調査し、研修の効果を確かめてみてください。実施側もフィードバックや効果測定を行うことで、改善点や強化点が見つけられ、次の研修をよりよいものにできるでしょう。
フォローアップ研修の内容は企業によりさまざまです。企業にそった1社向けのフォローアップ研修では、事前に受講者や教育担当者にアンケートをとり、苦手部分を把握したうえで、カリキュラム作成をする例もございます。お客様の課題や目的をお伺いし、目的が達成できるために、適した研修をご提案いたします。
外部研修では、受講生の様子が見えないため、「目的通りの内容が習得できているのか?」と不安になるお客様もいらっしゃいます。ご希望により受講中の様子を見学いただくことや、受講終了後に技術面や受講中の様子などご報告させていただきます。
対面形式、オンライン形式、ハイブリッド、Eラーニングなど、ご要望に応じた受講形式をご提案いたします。ご要望により、グループワーク等を取り入れコミュニケーションをとる機会を増やすことなども可能です。ハイブリットでの研修の場合、オンライン受講の方が取り残されないか?という不安もあると思いますが、そのような点にも配慮して研修を実施しておりますのでご安心ください。
フォローアップ研修を行う目的や内容、成功させるためのポイントなどについて紹介しました。フォローアップ研修は、ただ単に研修を振り返ったり復習したりするだけのものではなく、「研修で学んだ内容をその後の業務でどう活かせたか」を考えることを目的で行われます。
研修を行うことで、自身の成長や課題の発見、モチベーションを高める効果が期待できます。フォローアップ研修を取り入れて、優秀な人材を育成しましょう。
KENスクールでは、随時、フォローアップ研修を承っております。ご要望に応じ、カスタマイズし効果のある研修をご提供いたします。まずはご相談ください。
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